事業再生

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事業再生

企業が破綻すると,従業員は雇用を失い,取引先企業は売掛金などの債権の回収ができなくなり,関係者や地域経済が大きな影響を受けます。

あゆみ法律事務所は,経営者の事業存続の意向を尊重し,地域経済を守るため,債務超過のおそれや資金繰り困難な状況でも,まずは,負債を整理しつつ事業を再生する事業再生の手段を検討します。

事業再生手続には,法的整理と私的整理があります。

私的整理は(裁判所の関与なく)当事者の協議で債務整理を行う手続です。

かつてはルールがなかったことから透明性や公正性が問題となっていましたが,現在では中小企業事業再生ガイドライン(GL)に基づく準則型私的整理手続などが整備されています。

中小企業事業再生GLに基づく手続では,原則として金融機関のみが対象となり,取引債権者は対象となりません。

金融機関のみが対象であり公に知られる可能性が低いことから,法的整理に比べて,事業価値の毀損のおそれが低いとされています。

また中小企業事業再生GLに基づいて事業再生計画が成立するには,㋐すべての対象債権者(金融機関)の同意と,㋑対象債権者が破産手続で保障される清算価値より多く債権回収を図れること(経済的合理性)が必要です。

法的整理は,法律に定めがあり裁判所が関与する手続であり,民事再生手続・会社更生手続があります。

民事再生では,債務の弁済率や弁済時期を定める再生計画が認可されれば,債務の一部がカットされ,債務者は残った債務を最長10年間で分割払します。

再生計画においては、すべての債権者に対し破産手続による配当率(清算配当率)を上回る配当を行うことが必要です(清算価値保障原則)。

法的整理では原則としてすべての債権者が一律に手続の対象となります。民事再生で再生計画が債権者の多数決で可決され裁判所の認可決定がなされると反対した債権者も決定に服すことになります。

清算・廃業支援

事業再生が困難な場合に,やむなく廃業(事業の清算)を選択する場合でも,あゆみ法律事務所は,経営者の正当な権利と利益を守ることを第一にサポートを行います。

清算型法的整理手続

  1. 清算型法的整理手続の代表的なものは破産です。
    破産原因(支払不能・債務超過)がある場合に裁判所に申立することで手続が開始します。
    裁判所から選任された管財人が財産状況を調査するとともに財産を換価し債権者に配当することが目的です。
    破産手続では公租公課(税金等)が財団債権として優先され,財団債権を弁済してもなお財産がある場合に一般債権者への配当がなされます。
  2. 清算型法的整理手続としては,特別清算という手続もあります(会社法540条以下)。
    債務超過の疑いがある場合に会社が選任した清算人等の申立てに基づいて開始され,裁判所の監督の下で手続が行われます。
    手続では,債権者の2/3以上の同意(協定,和解)が得られたら債務が免除されます。
    なお特別清算できるには、会社の資産から公租公課(税金)や労働債権を弁済できることが必要です。

経営者保証ガイドライン(GL)による債務整理

経営者保証GLは,経営者保証に依存しない融資や,早期の事業再生,ソフトランディングを進めるために作られたGLです。

経営者保証GLによる債務整理は,経営する企業の金融機関に対する債務を保証している経営者と金融機関の間の協議で,経営者の保証債務を減免する手続です。

経営者保証GLによる債務整理の要件

  1. 主債務者が法的債務整理手続又は準則型私的整理手続を行っていること
  2. 対象債権者の経済的合理性(主債務者の資産・債務,保証⼈の資産保証債務の状況を総合的に考慮して,主債務及び保証債務の破産⼿続による配当よりも多くの回収を得られる⾒込みがあること)
  3. 保証⼈に破産法の免責不許可事由(浪費や財産隠匿など)がないこと

経営者保証GLによる債務整理のメリット

㋐債務整理・事業再生に早期に着手し,法人からの回収見込が増加した場合,破産の際の自由財産(99万円)に加え,一定期間の生活費相当額(100万円~360万円)を残せる。
㋑華美でない自宅を残せる。
㋒信用情報機関に登録されない

このように破産以外の選択肢も検討できますので,事業の先行きが不安な方や,経営者保証債務が不安な方は,あゆみ法律事務所にご相談ください。